低血糖
低血糖は、インスリンを薬や注射で補充しても、体の必要量に足りなかった場合に起こります。
たとえば、食事の量が少なかったり間隔をあけすぎたりした時、いつもより運動量が多かった時、薬の量やタイミングをミスした時などです。
健康な人の場合は、血糖値が下がるとグルカゴンなどの「拮抗ホルモン」が分泌され、正常値(70mg/dL 以上)に保とうとします。
しかし糖尿病では、拮抗ホルモンの分泌能力も低下していることが多いので、正常値に上げることができないのです。
ですから、もし、血糖値が下がりすぎると、「53mg/dL」くらいで、 発汗・火照り・動悸・吐きけなどの「自律神経症状」が起こります。
これは、低血糖に対する「警告サイン」なのです。
さらに、「48mg/dL」まで下がると、 錯乱・脱力・眠気・めまい・ろれつが回らないなどの「中枢神経症状」が起こってきます。
この状態になっても糖分をとらずにいると、さらに進行して意識障害が起こり、自分ではどうにもできなくなります。
さらに進むと低血糖昏睡に陥り、最悪の場合は死に至ります。
低血糖の症状や、その症状が出るレベルの範囲は個人差が大きいものです。
そのため一概にどれが最初の「警告サイン」かはわかりません。
ですから、もし低血糖を経験したら、その症状をよく記憶しましょう。
そして、自分の場合の特徴を知っておくようにします。
一度、高度の低血糖を起こすと、「警告サイン」が出ないうちに、いきなり意識障害のほうが先に起こってしまうので要注意です。
ただし、その後1~2ヶ月間、低血糖を起こさなければ、症状も軽くなるので、低血糖状態を繰り返さないように気をつけましょう。
低血糖の対処方法としては、症状が現れたら、まずブドウ糖を10~15g飲み込み、しばらく安静にします。
余裕があれば血糖値を測り、低血糖状態であることの確認をしましょう。
15分ほど経っても回復しない場合は、さらに同量を追加します。
意識障害が出て、自分で何もできなくなった時は、周囲の人に処置してもらいます。
そのため、日頃から、家族や職場の人にも対応を頼んでおくようにしましょう。
ブドウ糖水やグルカゴン注射で対応しますが、5分以内で回復しない場合は、主治医に連絡を取るとともに救急車を呼びます。
低血糖は、どんな時に起きるかわからないので、「ブドウ糖」と「詳細を記入したメモ」は常に身に付けるようにしましょう。
低血糖は、薬物療法をしている人の多くが必ず経験することですが、適切に対応すれば恐くありません。
恐れずに血糖コントロールを続け、合併症が起こらないよう、血糖値が改善していくよう心がけていきましょう。
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